はれ、ときどき一期一会

2023年は走ってみる。

一月はゆく。

ほんとにながいこと悩んでいた。

睡眠の質を変えたい。

短時間でも良質の睡眠は疲労を回復させられる。

食生活も見直そう。

などなど、いろんな面からの見直しがほぼすべて実行できたのは
昨年後半に入ってからであった。

毎日のことなのに、睡眠時間や質の改善は思うほどうまくいかなかった。

たくさん寝る時間はない。
食生活はせめて改善しよう。
昼ご飯もゆっくり食べよう。
帰宅したら夜間はおだやかに過ごそう。
とにかく早く寝よう。

そんな簡単なことがいちいち自分に号令をかけないとできないほど
あわただしかった。もう何年ものあいだ、たしかに気の休まる日はたぶんなかった。

やっとたくさん眠れるようになってきたかな。
寝ててもいいんだ、という時間もできて。

一月はゆく、二月は逃げる、三月は去る、というとか。
(一月往ぬる二月逃げる三月去る)

往ぬる、ということばにすると、
そんなに悪くない時の流れ方に思えて。
正月もあったから、ちょっとだけ年明けはゆっくり行ってもいい。
少しずつこの一年のペースをつくっていけよ、と言われているような
勝手な気分になっている。

ここ数年、とくに怒涛だった。
昨年はそろそろこの怒涛を収束させて、
自分ペースで歩まなくては長い道のりを行けない、
そう感じたと同時に倒れてしまった。

生きていたい。
そう思うことも怖かった。

睡眠とか食生活とかカイゼンしている場合じゃないのかも。
もう間に合わないかも。

それは困る。

という恐怖があふれて、恐怖だけがぐるぐるとした思考になった。
おまけにめまいもついてきた。

自律神経とか、疲労とか、甘く見ていたつもりはなかったのに。
本気でからだをいたわること、
元気でなくても、不調が起きていては仕事はもうできない。
おいしいものも満足に作れない。
家事も、思うようにできない。

なにも、なにもできなくなってしまう。

その恐怖で、
反省している時間もなく、ただ必死に休息、静養に専念した。

それくらいいままで、元気にしていたのだと思う。
体力もあるほうで、いつもなにかをかけもちしていて。

外を歩けることが、
近所のスーパーに買い物に行けることが、
ほんとうにうれしかった。

かけもちするのは、もうやめることにした。
どんなちいさなことでも、ひとつずつ。
まだ生きていたいから。

ここからぼんやりうかんでみえる未来は、
ここまでの道のりのように、毎日の繰り返しから続いていて
たぶん、案外近くて、
そこにいる自分から今の自分を見たら、なんと言うだろう。

そんなことをもうちょっと考えながら歩いてみよう。
漠然と、漫然と。